【Japan as No.1】
社会学者であるヴォーゲル教授により、1979年に出版された『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という書籍を覚えていらっしゃいますか?
ハーバード大学の教授で、東アジア研究所の所長を務めたヴォーゲル教授は、戦後から続く急速な日本の経済発展の原因を解き明かし、今後、間違いなく経済力において日本が世界一になると予言した本でもあります。
例えば、当時の日本の経済発展の原因として
『日本はすべての人の利益が守れるような共同体をつくって社会が分裂しないように努力を続けてきた。』
『異質の伝統美を融和させようと努力した点で日本は他のどの国とも違っている。』
『日本はこれまでも絶えず諸外国に教えを求めてきた。』
『日本の制度が諸外国の制度より有効に機能することがわかりはじめてからも、日本人は、なおも外国の視察を怠っていない。』
などが紹介されています。
そして、日本の経済発展の原因の中で、ヴォーゲル教授が一番にあげたのが、学習への意欲や読書習慣、すなわち『教育』です。
例えば、平均読書時間の比較では日本人は米国人の2倍もありました。
著書では
『日本の成功を解明する要因を挙げるとするならば、それは集団としての知識の追求ということになるだろう。』
『知識の追求に最高の価値をおくことは、伝統的日本人の知恵として、古くから定着していた考え方である。』
と論じています。
寺子屋などで一般庶民も就学したことで、世界一の識字率を誇ったと言われる日本。
当時も経済発展の基礎となる『教育』に対する意識が高かったことが伺えます。
なお、この書籍の副題には『アメリカへの教訓』とあり、後書きには、『現在、社会の様々な面で行き詰まりを感じているアメリカにとって、現在の日本のやり方を一つのモデルとし、そこから得るものが大きい』とまとめられています。
当時の米国人が当時の日本を謙虚に学んだように、現在の日本人は当時の日本を謙虚に学ぶべきだと感じます。